『東芝の悲劇』(大鹿靖明・幻冬舎文庫)読後レビュー|全組織人に突き刺さるビジネスヒューマンドキュメント

東芝の不祥事を追ったノンフィクション『東芝の悲劇』(大鹿靖明/幻冬舎文庫)を読み終え、まさに「全組織人必読」の一冊だと痛感しました。


帯に書かれているこの言葉に偽りはなく、「トップが誤れば、組織全体が腐敗する」ことを、東芝という日本を代表する名門企業の実例を通して突きつけられます。

歴代トップの経歴と失策が浮き彫りに

西室泰三氏をはじめとする歴代社長(岡村正氏、西田厚聰氏、佐々木則夫氏など)の生い立ちからトップ就任後の経営判断までが緻密に描かれ、特に“再び起きた不祥事”の原因がどこにあったのかが明確に浮き彫りにされます。

「20万人の努力を裏切った経営者たち」という衝撃

「東芝の悲劇は、人材を得なかった歴代トップによって起きた。20万人の社員の努力が、報酬と地位を得た彼らの“自己正当化”によって踏みにじられた」この一節は、自身が所属する組織と重ねて考えずにはいられません。

本書に描かれる企業内部の力学と失敗の構造は東芝だけでなく、企業全体、政・官にも通じる“警鐘”であり、リアルな企業ドキュメントとしての迫力があります。

組織人・管理職・経営者は当然、若手ビジネスパーソンにも強く推奨できる一冊です。

ちなみに…

Amazonレビューでも高評価が多く、「経営陣の慢心と構造的問題がリアルに描かれている」「東芝のような巨大企業でもこうなるのかと戦慄した」といった声が多数寄せられています。楽天ブックスでも同様に「人ごとではない」「自分の組織と重なった」といった感想が目立ちます。

組織がなぜ壊れるのか?その核心を知りたいすべてのビジネスパーソンに、今こそ読んでほしい作品です。